しろうと考えではありますが・・・

路上ライブ的商店支援

東京都が一般から事業を募り、これに予算を付けようとしています。
空き家活用もその候補の一つになっています。どんな事業が展開されるか、今後が楽しみです。

昔から商店街の空き店舗利用事業というのは、いろいろと行われてきました。
かつて小平市が、空き店舗をインキュベーション商店として活用したことがあり、成果を上げたこともあります。
しかしながら、長くは続きません。
空き店舗といっても、誰かの私有物ですから、借り上げるには費用がかかります。
月20万円として、年額で240万円。光熱水費もかかります。
いくら行政機関だといっても、その費用を負担し続けるのはかなりしんどいです。
それでいて、支援できるのはたったの1社。

それに、創業者ですから、いろいろと商売に不得手なこともあるでしょう。ですから、売上からロイヤリティーを徴収するというのも、ちょっと酷かもしれません。
さらにつらいのは、その空き店舗事業で育った創業者が、卒業後に彼の地に居着いてくれるという保障がないことです。
ですので、こういう試みは、どうしてもトライアル的なものになってしまいます。
だったらどうでしょう。いっそ、そういう場として割り切って考えてみては。
そこで提案。路上ライブ的商店支援!


行政が費用負担して、空き店舗を、それこそグレードの高い内装にする。家賃も税金で肩代わりする。
そこで創業者に物販を行ってもらう。
ただし、1週間限度。火曜・水曜で準備して、木金土日で商品を売る。月曜に後片付け。
そんなローテーションで、商売のコツをつかんでもらう。
そして、翌週は別の創業者に代わる。

そういう事業スタイルです。
大切なのは、「商品を売るというのは、こんなにも難しいものなんだ」ということを、知ってもらうことです。

仮にバカ売れし、人件費を引いてもかなりの額の利益が上がったなら、その一定割合を商店街に寄付してもらう。儲けは地元に還元する。
そういう仕組みにしないと、地元商店街にとっては、単なる所場荒らしになってしまいますし。


国が創業を支援しているせいでしょうか。
私の家の近所にも、小さな商店が急にできたりします。ですが、どうも長続きしません。
補助金をもらったって、実際には自己負担が出ますし、銀行から借りたお金も返さなければなりません。実際に商売をするのは、そうそう簡単なことではないのです。

それによく見てみると、住民が欲しい商品ではなく、自分が売りたい商品を売っている。例えば、日用品ではなく、趣味の店になっている。収益をどう確保するかも考えていない。

それは、東京に出てきて、路上ライブで楽曲を披露する歌手志望の人たちと似ています。
「地元でライブすればたくさんの人が集まってくれるのに、東京では皆、素通りしていく・・・」、そう言って世間の厳しさを実感するようです。
ですが、それはそれで大切なことです。

補助金を期待して、本当に実店舗を持ってしまうと、失敗したときのダメージが大きい。
ここはちょっと、路上ライブ的に《ためし》に商店を開かせてあげては、いかがでしょうか。
とても、いい経験にはなると思いますよ。

 
職場の最寄り駅に、「ここで路上ライブをすることを禁ずる」という、立て看板が立っています。
そういうのを見ると、ちょっと悲しくなります。
少しぐらいだったらやらせてあげてもいいのではないでしょうか。
そうそうみんなが成功するわけではないのですから。


ホームに戻る→